• XASTHUR - Nocturnal Poisoning (CD)



アメリカ産 DEPRESSIVE BLACK METALバンド(独り)。2002年リリースのフル。
マニアの方にはすっかりお馴染みアメリカを代表する鬱・自殺系ブラックバンドの1つ。
ちょっと前まで掲示板であーだこーだと随分騒がれていたのに最近は・・・(;´▽`)
先程知ってビックリしたのが、同郷アメリカの極悪な音を出す
DRONE/NOISE DOOMユニットのSunn O)))の新作にどういった形でなのか分からないが何とMALEFIC氏が参加してるようだ。
まあ最近SOUTHERN LORDから音源も出しているし繋がりはあるけど・・・
しかしどちらも極端にダークサイドなので面白いことになりそうだお(*´Д`)
その他にもBASTARD NOISEで有名なJOHN WIESE氏なんかも参加しているみたいで
こりゃかなり期待。うむむ脱線してしまった・・・・・。


今まで2ちゃんやその他の掲示板ではXASTHURと言えば大体の方が
「A Gate Through Bloodstained Mirrors」「The Funeral Of Being」
ベストアルバムとして挙げているようだったが、自分は本アルバムが大好きだ。
未だに廃盤になってしまって聞けていないSPLITやEPもあるが今まで聞いた中では
やはりこのアルバム最強、理由は至って簡単でタイトルトラックの
Nocturnal Poisoningがとにかく素晴らしいからである。
確かに上記した他のアルバムも恐ろしく病的な楽曲が連なる素晴らしい作品でカッコイイが
本作の他作よりも抜きん出ているところは病的な面ではなく(勿論高い病気度も健在)
兎に角悲しいことだろう、この悲壮感だけで語ればどの音源よりもずば抜けているかと。
まあその分邪悪さや病的さは控えめなのも確かで、そこが真性のマニアの方に
他作の方が良いと思わせる大きなポイントなのかもしれない。
自分は哀愁や悲壮感にとことん弱く、このアルバムはそんな人のツボを陥没する位に
押してくれる物件なのでw堪らないものがある。
タイトルトラックがキラーチューンだと言ったが、実は毎回このアルバムを聞く度に
タイトルトラックに入る前の曲A Walk Beyond Utter Blacknessで既に陥没骨折
してるお(*´Д`)本当堪らなく切ないこのメロディ。
最近SOUTHERN LORDから2LPになってジャケ違いでリリースされたのでそちらも
購入予定(このLP盤のジャケットがまためちゃくちゃカッコイイ)。
まあ個人個人色々な好き嫌いがあるから敢えてオススメはしないが
自分的には本作が最強ということで(´∀`) 素晴らしい。


  • ODAL - Sturmes Brut (CD)



ドイツ産 PAGAN BLACK METALバンド。2002年リリースの1stフルレンス。
Christhunt Productionsからボーナス1曲追加したLP盤も出てる模様。


如何にもアングラブラックらしくシケシケとしたメロディを伴なった
プリミティヴなブラックメタルをプレイしている。
最初のイントロが勇ましいダンダダダダダンッといったバトル調なので
お?ヴァイキングよりか?などと思っていたら
2曲目から初期北欧スタイルのブラック炸裂。
まるで上で紹介している小説の様でw地味〜な中からジワジワと溢れてくる
邪悪さや哀愁があり素敵。
出たとこ勝負なインパクトは少ないが、ジックリ聞くと癖になる
所謂スルメ音源(´∀`)
スタスタスタスタスタっと2ビートで走ったりミドルからスローに落としたりと
緩急が余りない淡白なドラムながら展開作りに一役買っている。
また所々で炸裂する寒々しいリフが素晴らしく薄っすら泣きを含んだ
展開ともマッチしている。Voも「゛」がつく系で邪悪。
ラストの鳥の囀りなどをフィーチャーしたアコギによるインストがかなり素敵。
欲を言うともう少しギターリフに説得力が欲しかったかな
そうすれば恐らくもっと幅広い層にアピール出来そうだお(´∀`)
いずれにせよアングラブラックファンには素直にオススメ出来る作品。



墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)



本格ミステリーからホラー、はたまた恋愛ものまで読ませる小説を書かれる
小池真理子さん、そんな彼女の初期を代表する作品らしいです。
先日本棚を整理していて目に付き懐かしく読み返していたら
やはり素晴らしい作品だったので、軽くご紹介を。
1度読んでオチは分かっているし次にどんな事が起きるのかも分かっているのに
これだけ背筋を寒くさせてくれる小説も中々珍しい。
物語はタイトル通りで、墓地とお寺と焼き場に周りを囲まれた都心のマンションを舞台に
そこへ移り住んできた主人公一家と、そのマンションに住む人達の日常を描いたもの。
まあそこでやっぱりアレコレと不可解な出来事が起こったりするわけなのだが
ハッキリ言って凄く地味、しかし地味なんだけど言葉では表せない何とも言えない
不快感と背筋に来る寒々しさを持っていて読んでいると本当にちょっと部屋の温度が
下がった様な錯覚を覚える。
派手でえげつないスプラッター描写やゾンビやエイリアンみたいなのがグォーって
襲ってきたりといったシチュエーションは無いが、その分得体の知れない者による
得体の知れない行動など、最後の最後まで得体の知れない何かが付き纏う様は
本当に恐ろしい。自分もそうなのだがマンションに住んでいる人なら
きっと寒さ倍増で読めるのではないかと思われ(;´д`)
また最後まで一気に読みたくなる様な物語の進め方も流石。
見た目のグロさや表面的な恐さではなく、内面からジワジワと湧き上がってくる
恐ろしさを表現した小説では今の所コレを越える作品には出会えていない
初期DARK FUNERAL級の寒々しさを持った素晴らしい小説w


  • DRUDKH - Lebedynyi Shlyakh (CD)



ウクライナ産 PAGAN BLACK METALバンド。2005年リリースの3rdフルレンス。
解散したHATE FORESTのROMAN氏とLUCIFUGUMでもDrを叩いていたYURI氏在籍。


全作Autumn Auroraも全編情緒溢れる素晴らしいアルバムだったが本作もまた然り。
若干ファストに走るパートが目立つようになったが基本的な部分は何も変わらず
相変わらずジックリとそして淡々と哀愁を帯びたメロディを紡ぎだしていくスタイル。
1曲目のギターによるインストからしてもう既に哀愁が漂いまくている。
砂嵐の様なザーザーしたギターが壁を作る中聞こえてくる愁いを帯びたメロディは
本当に儚く美しい、寒々しい面と逆にジンワリ染み込んで来る温かさも持ち合わせている。
淡々とした中にも、時にアコースティックギターアルペジオを導入したり
胸が締め付けられるようなギターソロを導入したり、はたまた民族的な独特で
ある種ポップさすら感じさせる不思議なメロディによる展開を持たせたりと
聞き手を否が応でも惹き付けさせる展開美は相変わらずで流石としか言いようが無い。
最後のトラックにはシタールの様な楽器をバックに朗々と歌い上げる民俗音楽が
入っていて本作があくまでもペイガンブラックメタルなのだということを強く感じさせる。
やはり特筆すべきは先程から何度も挙げているようにアルバムを一貫して常に漂う
愁いを帯びた空気と土着性の強い空気が見事に融合している点かと。
それにしても本当に素晴らしい音楽だ。